PARM-1(prostatic androgen-repressed message-1)が心臓を含む筋組織に豊富に発現し、心臓においては心筋細胞に特異的に発現することを見出した。 また、このPARM-1は心筋細胞においてERに局在しておりTNF-α、IL-1β、TGF-βなどのサイトカインやthapsigargin、tunicamycinなどのERストレスを引き起こす薬剤により、その発現が誘導されるが、phenylephrineやendothelinといった肥大刺激では、その発現は誘導されないことを見出した。 また、アデノウイルスを用いたPARM-1の強制発現により心筋細胞のアポトーシスが誘導されるが、心筋線維芽細胞への強制発現ではアポトーシスは誘導されず、PARM-1は心筋細胞特異的に働く分子であることを見出した。 また心筋分化においては、このPARM-1は、ES細胞のhanging drop法による胚様体形成による心筋細胞分化誘導、P19CL6細胞のDMSO添加による心筋細胞分化誘導過程において心筋特異的転写因子よりも早い段階で発現誘導され、さらにPARM-1の強制発現によりP19CL6細胞の心筋細胞分化が著明に亢進するが、細胞死は誘導されない事を見出しており、その機序について検討を行っている。
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