研究概要 |
1. 心不全モデルを用いたミトコンドリア機能・定量研究および心筋エネルギー代謝の評価 糖尿性心筋症モデルにおいて、左室心筋にp53およびSCO2蛋白の発現増強を認めた。 心臓超音波検査にて、心機能の低下を認め、上記蛋白の発現増強と時期が一致していた。現在、脂肪酸の代謝と解糖系の代謝の割合及び関与を検討中である。ミトコンドリアの機能は、クラーク型酸素濃度計による酸素消費量測定し、p53,SCO2の発現亢進時に、上昇していた。現在フリーラジカルの関与を検討している。また、Cytochrome Oxidase C complexの酵素活性の上昇、乳酸産生能を低下を認めているが、個体数を増やし追加実験中である。ミトコンドリア膜電位測定は、TMRM染色及びJC-1染色にて行い、現在のところ大きな変化は認めていない。細胞を10-nonyl acridine orange (NAO)により染色しFACSにて解析定量し、ミトコンドリアのバイオジェネシスの影響を検討中である。Real time PCR法を用いて、ミトコンドリア遺伝子であるCOXIと核遺伝子(PPRC1,C17)のDNA量を定量したが、現在検討している範囲内では大きな差は認めていない。電子顕微鏡によるミトコンドリア超微形態も今のところ著変は認めていない。 2. SCO2 KOモデルを用いたミトコンドリア機能・定量研究および心筋エネルギー代謝の評価 現在、SCO2,野生型、ヘテロ接合マウスを用いて、心筋梗塞モデル、糖尿病モデルを作製し、その心筋ミトコンドリア機能解析を前述と同様に行い、SCO2HTマウスでは、糖尿病性心筋障害が軽減していることを見いだした。(投槁中)
|