研究課題
心筋オートファジーの流れを検出する新しい方法(Autophagy.2008;4(3):322-9.)を使い、心筋オートファジーの普遍的な役割を調べた。その結果、心不全の初期に心筋オートファジーが亢進し、心筋保護に働く可能性を突き止めた(2010アメリカ心臓協会学術集会)。また、心筋オートファジーの調整には、がん抑制遺伝子の一つであるp53が関与することを発見した(2010アメリカ心臓協会学術集会)。また、糖尿病モデルマウスを用いて、心筋エネルギー代謝にp53-SCo2が関与することを発見した。以上の研究は、次の実験方法を用いた。(1)心筋オートファジーにおけるミトコンドリアエネルギー代謝の調節実験。;オートファジーにおけるミトコンドリアエネルギー代謝を、酸素電極やミトコンドリアの融合と解離の評価、糖代謝もしくは脂肪酸代謝の検討、などを通して、心筋保護のために最も重要なエネルギー代謝調節経路を究明した。(2)心不全モデルへの介入治療研究。;心筋オートファジーを調節して心保護に働く方法を、ドキソルビシン心筋症モデル、カテコーラミン負荷による心不全モデル、心筋梗塞モデル、虚血-再灌流モデル、大動脈縮索モデル、等、様々な心筋障害動物実験モデルに導入し、効果を生存率、心エコー、心筋組織検査、ウェスタンブロッテイングなどで評価した。(3)心不全治療への臨床応用を見据えた研究の準備;臨床応用を見据え、対象疾患の選別、既知の治療法と組み合わせた解析を実施すべく、観察型疫学研究を準備した。
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Am J Physiol Heart Circ Physiol
巻: 299(6) ページ: H1908-16
巻: 296(3) ページ: H823-32