研究課題/領域番号 |
21590946
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
長内 智宏 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00169278)
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研究分担者 |
奥村 謙 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20185549)
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キーワード | Coupling factor 6 / Sponteneously hypertensive rat / Wister Kyoto rat / Arachidonic acid / Efrapeptin / Vascular smooth muscle cell / Microarray / ATP |
研究概要 |
Coupling factor6(CF6)の細胞内情報伝達機構と反応性亢進機序 方法:ATP合成酵素のcatalytic domain inhibitorであるefrapeptinを前投与し、CF6のプロスタサイクリン産生抑制作用に及ぼす影響を明らかにした。すなわち、高血圧自然発症ラット(SHR)並びに正常血圧ラット(WKY)の血管平滑筋細胞(VSMC)を培養し、細胞膜を3~Hアラキドン酸でラベル後、以下について検討した。Efrapeptin 10^<-5>Mで30分preincubation後、CF610^<-7>M添加し30分間に放出される3^Hアラキドン酸を測定した。 結果:アラキドン酸の基礎遊離はSHRとWKYのVSMC間で差はなかった。CF6投与により、アラキドン酸遊離は用量依存性に減少しその程度はSHRがWKYのVSMCに比して大であった(51.3±2.7%vs24.5±6.9%)。また、CF6による抑制効果はefrapeptin並びにATP合成酵素β-subunit抗体の前投与により完全に阻害された。 結論:CF6はVSMCの表面に存在するAIP合成酵素のβ-subunitを介してATPをADPに分解し、細胞内酸性化を介してプロスタサイクリン産生を阻害した。これらの反応はSHRで充進しており、CF6の高血圧への関与が示唆された。 CF6の心血管系遺伝子発現に及ぼす影響の網羅的解析 方法:CF6の心血管系に及ぼすin vivoの影響を包括的に明らかにし、血管障害性をmetabolomとして理解するために、CF6過剰発現マウスと野生型マウス(WT)の冠細小動脈を含む心臓を摘出し、Easyキットを用いてmRNAを抽出した。さらにCF6過剰発現により増加または減少する遺伝子を日立のmicroarrayキットを用いて検出した。 結果:血管収縮・弛緩に関連分子、血栓形成関連分子の中でCF6過剰発現マウス心が有意に発現亢進を示した分子は検出されなかった。
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