研究課題/領域番号 |
21590964
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
室 繁郎 京都大学, 医学研究科, 院内講師 (60344454)
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研究分担者 |
星野 勇馬 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378746)
伊藤 功朗 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (40447975)
成石 浩司 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (00346446)
小川 恵美子 滋賀医科大学, 保健管理センター, 講師 (00378671)
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / 気道炎症 / 歯周病 |
研究概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、慢性炎症性疾患であり、全身炎症を伴うことが判ってきた。本研究では、歯周病合併により歯周の慢性感染・口腔内細菌の増加とsubclinical recurrent aspirationがCOPDの慢性炎症に影響を及ぼしているとの仮説を想定し、嚥下機能・歯周病抗体価が慢性炎症に与える影響とCOPDの病態との関連を検討するものである。平成21年より、外来COPD患者において、嚥下反射機能検査・血清中歯周病抗体価・血清中炎症性サイトカイン濃度・炎症細胞におけるMAPK活性化の評価を施行し、前向き観察研究にて、呼吸機能の推移や画像上の気腫化の進展の程度・増悪頻度など、COPDの予後に関連する因子との関連についての検討を継続中である。現時点では、予想に反し、歯周病抗体価の低値群が、歯周病抗体価高値群に比して増悪回数が頻回であるという結果であった。歯周病抗体価の低値群同時に測定したIL-4, IL-7が高い傾向にあり、なんらかの液性免疫状態の変化がCOPD増悪と関連していることが示唆された。引き続き症例を蓄積し、解析を継続する予定である。また、細菌菌体成分(Lipopolysaccharide : LPS)が誤嚥により、気道上皮に接触する状況を仮定し、ヒト気道上皮にLPS刺激を加えたところ、気道上皮からConnective tissue growth factorの分泌が確認され、気道リモデリングに関与していることが示唆された。
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