研究課題/領域番号 |
21590968
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
松瀬 厚人 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60336154)
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研究分担者 |
福島 千鶴 長崎大学, 長崎大学病院, 准教授 (50380978)
河野 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80136647)
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キーワード | 気管支喘息 / アレルギー / 樹状細胞 / 真菌 |
研究概要 |
真菌をアレルゲンとして発症、増悪する真菌関連喘息を、抗真菌薬を使って治療するのではなく、樹状細胞を用いて、真菌に対する免疫反応を修飾することで、アレルギー反応を抑制することを目的として実験を行った。まず、昨年度作成した、ダニアレルゲンを用いず、真菌アレルゲンおよび真菌感染のみで成立するマウス真菌関連喘息の解析を行った。Aspergillus fumigatusからタンパクを分離生成し、水酸化アルミニウムと結合させた後、4~8週齢の雌性BALB/cマウスの腹腔内へ注射し、その2週間後にAspergillus fumigatus生菌を3日間経鼻感染させ、最終感染翌日に肺組織を評価したところ、好酸球浸潤と杯細胞過形成を伴うアレルギー性気道炎症の発症が確認された。ダニアレルゲン感作モデルと比較すると、好中球浸潤を伴うこと、杯細胞の過形成が強く、粘液分泌がより亢進しでいることが特徴であり、真菌関連喘息の臨床像をよく反映したモデルであると考えられた。 この真菌関連喘息モデルに移入する樹状細胞ワクチンとして、二種類の樹状細胞をin vitroで作成した。一つは、マウス骨髄細胞にGM-CSFを加えて作成する骨髄系樹状細胞(myeloid dendritic cell : mDC)であり、もう一つはマウス脾臓から免疫磁気学的に分離した形質細胞用樹状細胞(plasmacytoid DC : pDC)である。mDCとpDCをAspergillus fumigatus生菌と死菌で刺激したところ、サイトカイン産生能はpDCが高く、特にIL10やIL12の産生能が亢進していた。このことは、我々の当初の予測通り、pDCがアレルギー性気道炎症を抑制できる細胞ワクチンとして機能し得ることを期待させる結果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
真菌の感作、感染のみで成立するマウスモデルが確立でき、細胞ワクチン候補である、pDCの機能解析もほぼ終了していることより、ほぼ当初の計画通りに進行できていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、真菌関連喘息モデルマウスにpDCをワクチンとして投与し、アレルギー性気道炎症がどのように良く際されてゆくか解析を行う予定である。
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