研究課題
基盤研究(C)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とその併存症である心血管疾患(CVD)、糖尿病(DM)は皆、全身性炎症性疾患としても重要である。CVDやDMに占めるCOPDの合併頻度や、CVD、DM、COPDの全身性炎症・酸化状態の評価、予後に関して、当院外来通院中の117名の患者について検討した。CVDまたはDMの患者においてCOPDの併存頻度は40%程と、NICEスタディによる予測値より有意に高値であり、喫煙歴のあるCVD、DM患者に対する肺機能精査の重要性が示された。また、hsCRPやTNF-αを指標とした全身性炎症は、スタチンの内服により抑制されることが示された。さらに2年程の前向き観察により予後を検討した結果、上気道炎症はCOPDと、全入院はCVDとの有意な関連が示された。また、COPD患者に関しては、スタチンの使用がCOPD増悪を抑制し、長時間作用性抗コリン薬の開始が肺機能の早期減衰を抑制することが示された。COPD患者の全身炎症や増悪予防にスタチンの内服が有用である可能性が示唆された。
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