慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態形成機序を明らかにする目的で一連の研究を行った。その結果、1) COPD患者の気道.肺胞細胞では炎症性サイトカインの産生、アポトーシス、老化、酸化ストレスによるDNA障害が生じていること;2)気道上皮に慢性的なDNA障害を起こしたマウスでは細胞老化と気道炎症が生じること;3) DNA障害を生じた培養気道上皮.肺胞上皮細胞からは炎症性サイトカインが産生されることが明らかになった。以上の成績から、COPDでは酸化ストレスによるDNA障害が気道.肺胞炎症、アポトーシス、細胞老化の原因になっていることが知られた。
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