研究課題/領域番号 |
21590975
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
権 寧博 日本大学, 医学部, 准教授 (80339316)
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研究分担者 |
羅 智靖 日本大学, 医学部, 教授 (60230851)
林 伸一 日本大学, 医学部, 助教 (20445745)
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キーワード | 気管支喘息 / 気道上皮細胞 / タイトジャンクション / EGFR / 副腎皮質ステロイド / バリア機能 / 気道炎症 / 透過性 |
研究概要 |
気管支喘息における最良の治療方法は、吸入ステロイドによるアレルギー性気道炎症の制御であるが、我々の研究において、ステロイドは気道上皮バリアの形成を促進する因子であることが明らかになった。ステロイドは、気道上皮細胞に作用してEGFRのリガンド結合性を増強し、その結果、EGFRシグナルを介して、タイトジャンクションの形成を促進することが明らかになった。気管支喘息では、気道上皮細胞のバリア形成機能が減弱しており、その結果、抗原が気道上皮を通過しやすくなり、粘膜下に炎症を起こしやすくなることが病態形成に重要な役割を果たしている可能性がある。本研究により、最もと有効な治療法であるステロイドが気道上皮の脆弱性に対して、改善作用があることが、治療効果の1つの薬理作用になっている可能性が示唆された。また、本成果により、気管支喘息の病態解明や治療標的の探索において、新たな可能性を示したこととなった。
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