研究課題/領域番号 |
21590978
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
森 晶夫 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 先端技術開発部, 部長 (80251247)
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研究分担者 |
大友 隆之 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 先端技術開発研究部, 研究員 (90463108)
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キーワード | アレルゲン / 気管支平滑筋 / 気管支喘息 / アレルギー / T細胞 / 遅発型喘息反応 / 細胞性免疫 |
研究概要 |
T細胞活性化が喘息反応すなわち気流閉塞にむすびつくことを証明するため、抗原吸入負荷後遅発型喘息反応が観察される患者の末梢血単核球を抗原と培養し、前年度までに樹立した培養ヒト気管支平滑筋細胞ゲルアッセイにより、気流閉塞活性を検出した。単核球よりnegative selection法によりCD3、CD4、CD8陽性細胞集団をdepleteした場合、CD3、CD4 depletionによって収縮活性は消失した。したがって、CD4陽性のヘルパーT細胞が関与する可能性が強く示唆されたため、喘息患者末梢血単核球を、アレルゲンで抗原刺激し、限界希釈を経て、ダニアレルゲン特異的T細胞クローンを樹立した。CD4陽性細胞が99%以上の純粋な、clone化細胞であることを確認後、固相化CD3抗体で刺激し、上清をハーベストした。培養ヒト気管支平滑筋細胞ゲルアッセイにより、平滑筋収縮活性を確認した。本知見は、T細胞が平滑筋収縮活性を直接産生することを示す。産生サイトカインIL-2、IL-4、IL-5、IL-13、IFN-gammaとゲル収縮活性との関連を解析したところ、IL-5、IL-13産生量と正の相関を認めた。すでに、in vitroでの末梢血単核球の抗原特異的IL-5産生量が、in vivoでの吸入負荷後遅発型喘息反応の指標となることを見出しているので、この知見と合致するものと考えられる。サイトカイン産生との関連を解析する目的に、デキサメサゾン、FK-506の抑制効果につき、検討したところ、IL-5産生は、低濃度のデキサメサゾン、FK-506によって抑制されたが、収縮活性は抑制されず、ユニークな産生制御機構が存在することが示唆された。
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