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2010 年度 実績報告書

間葉系幹細胞由来肺組織保護因子の網羅的同定と治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 21590980
研究機関東北大学

研究代表者

大河内 眞也  東北大学, 病院, 助教 (40375035)

研究分担者 貫和 敏博  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40129036)
キーワード間葉系幹細胞 / Stanniocalcin1 / アポトーシス / 過酸化 / Uncoupling Protein2 / 嫌気性代謝 / Warburg効果
研究概要

研究代表者は、障害環境下(紫外線照射、低酸素、アシドーシス)にヒト肺胞上皮細胞と、ヒト間葉系幹細胞を、細胞非透過性・液性因子透過性の半透膜を介して共培養すると、間葉系幹細胞がホルモンSTC1(Stanniocalcin1)の傍分泌することを介して、肺胞上皮細胞のアポトーシスを抑制することを、その遺伝子網羅的解析を通して明らかにした(Stem cell 23,2009,670-81)。今までの研究でSTC1はミトコンドリアに局在しミトコンドリアの機能に関連することが推測されていたが、海洋魚類のカルシウム代謝に及ぼす作用以外におけるSTC1の役割が明確でないため、今年度は間葉系幹細胞由来STC1がいかにしてヒトの障害環境下にある細胞の障害を抑制するかについて検討した。
上記障害に共通するのは細胞内の過酸化物(ROS)蓄積であること、ROSの主な産生部位がミトコンドリアであること、STC1の局在がミトコンドリアにあることよりSTC1がROS産生を抑制するという仮説を立てた。肺胞上皮細胞株を用いた検討で、この仮説を証明するとともに、STC1は主にミトコンドリアのUncoupling Protein 2(UCP2)の発現を高進させることを介してそのROS産生抑制作用を示すことを示した。またSTC1はUCP2亢進を介してUncoupling Respirationを誘導することも見出した。間葉系幹細胞が障害下の細胞にSTC1分泌を介してUncoupling Respiration誘導することにより障害を回避することを示したのは初めてであり、大変有意義な研究と考えている。これらの研究は2011.3現在投稿中である。またシリアからの海外留学生Ahmed Katsha氏の学位を取るにあたり主たる教員として研究を指導しその研究成果をMolecular TherapyにPublishさせた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Paracrine Factors of Multipotent Stromal Cells Ameliorate Lung Injury in an Elastase-induced Emphysema Model2011

    • 著者名/発表者名
      Ahmad Katsha, Shinya Ohkouchi, Toshihiro Nukiwa, Yasuo Saijo
    • 雑誌名

      Molecular Therapy

      巻: 19 ページ: 196-203

    • DOI

      doi:10.1038/mt.2010.192

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stanniocalcin-1 from Marrow Stromal Cells (MSC) Rescues Injured Lung Cancer Epithelial Cells by Upregulation of Uncoupling Protein 22011

    • 著者名/発表者名
      Shinya Ohkouchi, Gregory Block, Prockop Darwin, Toshihiro Nukiwa
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America (PNAS)

      巻: (In Press)(未定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Multipotent Stromal Cell-Derived Stanniocalcin-1 Reduces Reactive Oxygen Species and Promotes Survival of Injured A549 Lung Epithelial Cancer Cells through Upregulation of Uncoupling-Protein 2 and Induction of the Warburg Effect2010

    • 著者名/発表者名
      S.Ohkouchi, G.J.Block, D.J.Prockop, T.Nukiwa
    • 学会等名
      European Respiratory Society Annual Congress 2011
    • 発表場所
      Bazcelona, Spain
    • 年月日
      2010-09-21
  • [学会発表] 間葉系幹細胞(MSCs)分泌Stanniocalcin1 (STC1)が誘導するUncouplingProtein2(UCP2)依存性ReactiveOxygenSpecies(ROS)抑制作用とWarburg効果2010

    • 著者名/発表者名
      大河内眞也, Ahmed Katcha, 兼平雅彦, 菊地利明, 海老名雅仁, 貫和敏博
    • 学会等名
      第50回日本呼吸器学会総会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2010-04-21
  • [図書] マウスラット疾患モデル活用ハンドブック2010

    • 著者名/発表者名
      大河内眞也(分担執筆)
    • 総ページ数
      490-498
    • 出版者
      羊土社
  • [産業財産権] (仮)Stanniocalcin-1を用いたケトーシスの治療について2011

    • 発明者名
      大河内眞也
    • 権利者名
      国立大学法人東北大学
    • 産業財産権番号
      P20100307
    • 出願年月日
      2011-01-12

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公開日: 2012-07-19  

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