II型肺胞上皮癌培養株(A549) c DNAライブラリーを用いたSEREX (serological analysis of recombinant cDNA expression libraries)法により、特発性肺線維症急性増悪関連自己抗体として抗アネキシン1抗体を検出した。QIA express蛋白質精製システムを用いて6XHisタグ標識アネキシン1抗原蛋白を作成し、Ni-NTA HisSorb PlateによるELISA法を用いた解析によって、特発性肺線維症急性増悪症例においては高力価の抗アネキシン1抗体が血清中および気管支肺胞洗浄液中に存在していることが明らかとなった。BAL液中のCD4陽性Tリンパ球の免疫グロブリン可変部領域のTEPITOPE解析で明らかとなったアネキシン1N末端の抗原性を有するペプチド部分に対するpolyclonal抗体を作製した。BAL液から得られたT細胞及びマクロファージを用いてアネキシン1のN末端ペプチドに対するT細胞のBrdU活性の測定では、アネキシン1が血清中に検出された症例の一部にN末端ペプチドによるBAL液中のT細胞の活性化が認められた。アネキシン1のN末端エピトープに対する免疫反応が特発性間質性肺炎急性増悪において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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