前年度に引き続き、今回の研究のために作成した画像データベースを用いて、特発性間質性肺炎(IIPs)のうち通常型間質性肺炎(UIP)あるいは非特異性間質性肺炎(NSIP)と診断が確定している症例のデータ解析を行った。新たに開発したCT画像データ・コンピューター解析システムによって、UIPやNSIPに特徴とされる病変の位置や大きさ情報(肺底部優位、胸膜直下優位、肺葉の容積縮小など)のうち、各肺葉における肺容量の自動測定が可能となった。また、病変部位の局在に関しても、肺のどこ(上葉、中葉、下葉)に病変が存在するかを解析する事が出来るようになった。病変の形態情報(蜂巣肺、網状影、すりガラス陰影、浸潤影など)のうちでも特徴的なものとしての蜂巣肺に注目し、蜂巣肺を形成する各成分の大きさや不均一性を解析する事が可能なコンピューター解析システムを構築した。今後は、これらのコンピューター解析システムを画像データベース以外の多数の症例に適用することによって、本研究によって開発されたCT画像データ・コンピューター解析システムの有用性を示すことが可能である。
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