研究課題/領域番号 |
21590996
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横崎 恭之 広島大学, 保健管理センター, 准教授 (80210607)
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研究分担者 |
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
森本 泰夫 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (30258628)
松田 治男 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (80116863)
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キーワード | オステオポンチン / トランスグルタミナーゼ / 肺線維症 / インテグリン / 重合 / 好中球 / 遺伝子改変マウス |
研究概要 |
本研究ではサイトカインの一つであるオステオポンチンが肺の線維化形成に関わっており、特にその重合化が鍵を握るとの仮説に基づき研究を進めている。 オステオポンチンの重合体を作製し、in vitroでの作用を確かめたところ、好中球に対する遊走活性が存在することを明らかにした。さらにその機序はインテグリンα9β1との相互作用によるものであることを明らかにし、また重合オステオポンチン内の結合部位は従来報告されているα9β1のオステオポンチン結合部位(SVVYGLR)とは異なる部位であることを見いだした。また、重合オステオポンチンのin vivoでの作用を検討するため、遺伝子操作によりオステオポンチンを重合不能としたマウスを作製中であるが、重合不能オステオポンチン遺伝子が組み込まれgerm lineにのったF2マウスの作出に成功した。 肺線維症の初期には好中球による組織傷害が生じこれが線維化のトリガーになると考えられており、上記の成果のうち好中球に対する走化活性はオステオポンチンの重合化の肺線維症への関与を示唆している。また、重合不能オステオポンチン発現マウスの樹立は、今後これをオステオポンチンノックアウトマウスと交配し、野生型オステオポンチンの発現を封じる予定であり、オステオポンチン重合化の生体における役割解明の礎となるものである。
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