研究課題/領域番号 |
21591002
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小林 弘祐 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70153632)
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研究分担者 |
廣瀬 稔 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (50286382)
小久保 謙一 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (20287965)
新保 年弘 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (10406910)
久保田 勝 北里大学, 医学部, 講師 (00234500)
畑石 隆治 北里大学, 医学部, 講師 (20276124)
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キーワード | 酸素障害 / 肺障害 / 酸素 / 活性酸素 / 水素 |
研究概要 |
水素吸入で水酸化ラジカルを消去することにより、高濃度酸素吸入による肺障害を予防できる可能性が高いと着想し、in vivoの動物実験ではマウスを用い、in vitroの細胞実験では肺血管内皮の培養細胞(A549)を用いて肺障害の水素による予防効果を検証した。なお、安全のため動物実験の吸入水素濃度は0.4%にとどめた。 動物実験では生存曲線を求めた。実験1:高濃度酸素+抗生物質有無(腸内細菌による水素ガスの影響を検討するため)。実験2:高濃度酸素+水素吸入+抗生物質有無(水素ガス吸入の効果を調べるため)。その結果、酸素濃度90%、水素濃度0.4%の条件下では、水素吸入により生存曲線は改善しなかった。 細胞実験では、水素付加群と水素非付加群の2群に分け、96穴プレートに播種して常酸素(21%)下で12時間前培養した。その後水素付加群を、酸素21%・窒素75%、水素濃度が2%以上になるよう調整したインキュベータで培養した。水素非付加群は常酸素下で培養を続けた。それぞれ1時間培養した後、両群に活性酸素種を発生する試薬(10μl)を加え、24時間後にWST-8を用いて吸光度を測定した。 加える試薬は、O_2^-を発生させるキサンチンとキサンチンオキシダーゼ、細胞内でフリーラジカルを生成するメナジオン、Fenton反応により・OHを生成する過塩素酸第二鉄と過酸化水素水、過酸化水素水とした。。 キサンチン0.01mM-キサンチンオキシダーゼ1mU/ml、メナジオン2.8μMを付加した群において、水素を付加することによりヒト肺胞上皮細胞数の低下が抑制された。この結果および、APFによる蛍光観察の結果から、細胞内に発生した細胞障害性の強い活性酸素種は、水素により減少したと考えられた。
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