研究概要 |
肺癌の薬剤効果に関わるマイクロRNA(miRNA)を明らかにし、肺癌の新たな治療法を開発することを目的に研究を遂行した。まず肺癌細胞株30株に対する網羅的miRNA発現解析を行い、9種類の抗癌剤感受性に関わる4個のmiRNA(miR-21, miR-31, miR-193b, miR-365)を同定した。次に新規分子標的薬剤であるEnzastaurinに関し、miR-21がJAK/STAT経路活性化により発現制御を受け薬剤効果に関与することを明らかにした。最後にmiR-23a/24/27 clusterと上皮間葉移行(EMT)の関係について検討し、miR-23aがE-cadherinを標的因子としてTGFβ誘導EMTを制御し、EGFR-TKI耐性を導くことを明らかにした。これら薬剤感受性miRNAの制御は肺癌の新たな治療戦略の1つになり得ると考えられる。
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