研究課題/領域番号 |
21591010
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山口 悦郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10201831)
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研究分担者 |
馬場 研二 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80211499)
高橋 大輔 愛知医科大学, 医学部, 助教 (00431370)
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キーワード | サルコイドーシス / カテプシンS / アンジオテンシン転換酵素 / 間質性肺炎 / 気管支喘息 / 塵肺 / 甲状腺機能亢進症 / 肝硬変 |
研究概要 |
Transcriptome scanにより選び出した血清カテプシンS(CTSS)濃度の、サルコイドーシスの診断における意義について、高齢健常者を若干増やし、また対照呼吸器疾患を増やした。さらに昨年度は測定機器の制限から正確な測定ができなかった血清ACE活性は、原法に従って反応液の吸光度505nm値から計算した。 検討対象は健常者を37名に増やし(年齢範囲20-56歳)、サルコイドーシス患者も76名を測定した(23-84歳)。疾患対照として塵肺患者150名(54-93歳)、間質性肺炎患者22名(35-67歳)、COPD患者12名、喘息患者20名、肝硬変症患者20名(43-83歳)、肺癌患者11名、肺抗酸菌症患者17名(45-83歳)、甲状腺機能亢進症患者19名(20-72歳)である。 血清CTSS濃度は、健常者と比較して今回新たに追加した喘息、COPD、肺癌では上昇していなかった。サルコイドーシスでは、肝硬変症を除く疾患対照より血清CTSS濃度は有意に高値であった。サルコイドーシスと塵肺の鑑別に関して、ROC解析では曲線下面積は0.869と十分に高値であり、CTSS濃度75ng/mlにおける感度は75%、特異度は75%であった。 血清ACE活性は健常者と比較して、肝硬変症と甲状腺機能亢進症で上昇していた。サルコイドーシスと塵肺の鑑別に関して、CTSS同様にROCカーブによる解析を行うと、曲線下面積は0.607で、CTSS濃度より有意に低かった(p<0.05)。ACE活性13.9IU/l37℃における感度は65%、特異度は69%とやや低値であった。以上より血清CTSS濃度は、疾患特異性は高くはないが疾患によってはACEより高い鑑別能を有する有用なマーカーと言える。
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