研究課題
1)ゲフィチニブ獲得耐性株における可逆性及び不可逆性EGFRチロシンキナーゼ阻害剤と化学療法の併用療法の検討上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKIs)はEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌患者に顕著な抗腫瘍効果を呈するが、ほぼ全例において耐性を獲得しその治療効果が維持出来なくなる。獲得耐性の分子メカニズムとしてEGFR遺伝子の2次変異(T790M変異)の出現が報告され治療戦略開発が急務となっている。T790M変異EGFRにも不可逆的に結合しEGFRチロシンキナーゼ活性を抑制する第2世代EGFR-TKIsであるBIBW2992はT790MEGFR-TKIs耐性肺癌細胞株において転写因子であるE2F-1を介してTSの発現を抑制した。さらにこれらの耐性肺癌細胞を用いた実験によりBIBW2992とTSを標的とする抗癌剤(S-1あるいはペメトレキセド)との併用は相乗的に抗腫瘍効果を発揮することを見出すことが出来た。2)PTEN欠失を伴うEGFR遺伝子変異陽性株のゲフィチニブに対する耐性メカニズムとサバイビンとの関連性の検討EGFR-TKIsに対する耐性のメカニズムの1つとしてPTEN欠失が報告されている。PTEN欠失を伴うEGFR遺伝子変異細胞株ではゲフィチニブを用いてEGFRシグナルを抑制してもPI3K/AKT経路が恒常的に活性化しているためサバイビンの発現低下が生じない。この事象はサバイビンの発現変化がゲフィチニブの感受性に関与することを示唆している。我々はサバイビンに特異的なsiRNAを用い、サバイビンの発現量を低下させることでPTEN欠失耐性株の感受性を回復させることに成功し、すでに臨床第I相試験が終了しているサバイビン抑制剤のYM155とEGFR-TKIsの併用療法が、PTEN欠失による耐性克服に有用であることを示した。
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