研究課題
平成21年度は以下の点を明らかにした。1. アドレノメデュリン2(AM2)はアドレノメデュリンと同様に血管拡張作用、心臓保護作用を有する。また、腎保護作用も有すると考えられる。AM2の発現を腎不全ラットモデルで検討し、腎不全の腎臓でAM2の発現が増加していることを見出した(投稿中)。2. AM2の遺伝子多型と脳血管障害、腎機能及び慢性腎臓病(CKD)との関連を検討した。結果、AM2の遺伝子多型は、脳ラクナ梗塞、心肥大及び腎機能と有意に関連していることが認められた(国際腎臓学会分科会NEXUS2010(京都)で発表予定)。3. Proレニン受容体((P)RR)はProレニンと結合してRAS系を活性化するとともに細胞に直接働き臓器障害を起こすと考えられる。(P)RRのmRNA発現を心不全ラットモデルで検討し、心不全の心臓及び腎臓で発現が増加していることを見出し、報告した(Peptides 2009, 30 : 2316-2322)。4. Proレニン/Proレニン受容体系の腎障害への関与を検討するため、5/6腎摘腎不全モデルの腎臓・心臓血管での発現の変化を競合的RT-PCR法、 Western Blot法、免疫染色法により調べた。結果、Proレニン受容体のmRNAは腎不全モデルの腎臓で発現が増加していることを見出し、報告した(第42回米国腎臓学会にて発表、Regul Pept. 2010, 159 : 272-277)。5. Proレニン受容体の遺伝子多型と血圧、心血管障害との関連を検討した。結果、Proレニン受容体の遺伝子多型が血圧、心肥大及び脳血管障害と関連することを認め、報告した(第82回日本内分泌学会シンポジウムにて発表)。
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Regul Pept. 159
ページ: 272-277
Am J Hypertens 22
ページ: 294-299
Stroke 40
ページ: 2859-2861
Peptides 30
ページ: 2316-2322