研究課題/領域番号 |
21591017
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
涌井 秀樹 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70240463)
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研究分担者 |
小松田 敦 秋田大学, 医学部, 講師 (70272044)
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キーワード | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体分子 / 蛋白質 / 内科 / 糸球体濾過バリアー / アクチニン / 蛋白尿 |
研究概要 |
1.アクチニン4のアクチン結合ドメインと相互作用する腎分子の同定と相互作用の意義について 大腸菌two-hybrid法により、糸球体濾過バリアー構成蛋白であるアクチニン4のアクチン結合ドメインと相互作用する腎分子を同定した。この分子は、情報伝達系での蛋白相互作用を示唆するWDリピート構造を有しているが、アクチニン4との相互作用の報告はない。両者の相互作用について、in vitroおよびin vivoでの確認実験に加え、腎由来培養細胞にシグナル分子を添加した際の共局在についての検討を行った。また、家族性ネフローゼ症候群症例で同定されたアクチニン4変異体を用いた検討も行った。WDリピート構造を有する分子は、アクチニン4の新たな相互作用分子であることが示唆されたが、その生理的意義については、更なる検討を要する。 2.膜性腎症の原因抗原について 本研究開始後に、膜性腎症の原因抗原として、糸球体濾過バリアーのポドサイトに発現するM型phospholipase A2 receptor (PLA2R)が報告され(N Engl J Med 2009; 361: 11-21)、この分野の研究遂行が急務となっている。この報告では、70%の膜性腎症患者に血中抗PLA2R抗体を認めているが、抗原エピトープの同定は成されておらず、臨床的に広く使用できるような抗体検出方法を用いていない。そこで、培養細胞発現PLA2R蛋白を用いた抗PLA2R抗体の検出システム構築に向け、種々のPLA2R蛋白フラグメントに対する膜性腎症患者血清IgGとの反応性の検討を開始した。 3.臨床症例 糸球体濾過バリアーの破綻を呈した新たな病型と新たな合併症についての検討結果を報告した。
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