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2010 年度 実績報告書

新規ポドサイト膜糖蛋白Tpbgの機能解析および新規腎炎治療の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21591032
研究機関徳島大学

研究代表者

松浦 元一  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10403734)

研究分担者 冨永 辰也  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80425446)
キーワードTpbg / ポドサイト / 糸球体腎炎 / TGF-β
研究概要

糸球体腎炎においてポドサイト障害が糸球体機能低下を促すことが知られている。1型膜蛋白であるTrophoblast glycoprotein(Tpbg)は癌細胞やES細胞の遊走や接着、骨格形成を制御している。我々はTpbgが糸球体でポドサイトに発現し、糸球体障害に関与していることを見出した。糸球体腎炎でのポドサイト障害におけるTpbgの分子機序を明らかにすることを目的とする。
ラット腎炎モデルにおいて、リアルタイムRCR、ウエスタンブロット法により腎炎活動期に一致してTpbgの発現が亢進することを示した。Transforming growth factor-β(TGF-β)は腎炎におけるポドサイト障害を惹起すると想定されている。我々は免疫染色法により同モデルにおいてTGF-βの発現が亢進し、その発現部位に一致してポドサイトが障害を受け、Tpbgの発現が亢進していることを証明した。これらは糸球体腎炎においてメサンギウム増殖に伴い発現が亢進したTGF-βがポドサイト障害を惹起し、Tpbgがその障害過程を介在する可能性を強く示唆している。
次に、培養ポドサイトを用いてTpbgの局在、機能、さらにTGF-βとの関与を解析した。細胞免疫染色法によりTpbgが細胞接着装置(フォーカルアドヒージョン:FA)に発現することを見出した。ポドサイトにおいて様々なFA蛋白が、細胞の骨格制御・遊走・アポトーシスに関与する。TGF-βは様々な細胞で接着能を低下させ、遊走能を亢進させる。我々はポドサイトにおいてもTGF-βが遊走を亢進させること、さらにRNA干渉を用いてTpbgをノックダウンさせると遊走亢進が抑制されること、逆にTpbgを過剰発現させたポドサイトで正常細胞骨格が破綻することを証明した。さらにTGF-β刺激によりmRNA、蛋白レベルでTpbgの発現が亢進すること、TpbgがFAに集積することを確認した。これらの結果はTGF-βのポドサイト障害における刺激によりTpbgの発現が亢進し、FAに集積し、細胞遊走亢進や骨格制御異常へつながるという新たな分子機序を示唆するものである。

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公開日: 2012-07-19  

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