研究課題/領域番号 |
21591039
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
富野 康日己 順天堂大学, 医学部, 教授 (60130077)
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研究分担者 |
合田 朋仁 順天堂大学, 医学部, 助教 (20365604)
谷本 光生 順天堂大学, 医学部, 助教 (00420836)
萩原 晋二 順天堂大学, 医学部, 助教 (70445568)
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キーワード | 糖尿病腎症 / KK-A^y/Taマウス / QTL解析 / 尿中アルブミン |
研究概要 |
糖尿病腎症患者数は年々増えてきており、我が国においては1999年より透析導入原因疾患の第1位となっている。糖尿病および腎症の発症には、何らかの遺伝因子が関与していると考えられている。我々は、これまで自然発症2型糖尿病モデルマウスであるKK/TaマウスとコントロールマウスであるBALB/cマウスを用いて、糖尿病関連疾患感受性遺伝子座をQTL解析により明らかにした。本研究ではKK/Taマウスと比較し、より重度の糖尿病、腎症(アルブミン尿)を呈するKK-A^y/Taマウスを用いて同様のQTL解析を行い、2型糖尿病関連疾患感受性遺伝子座を同定することを目的とする。この研究から得られる成果は、ヒト糖尿病及び糖尿病腎症の原因遺伝子解明の第一歩となり、医療費削減の基盤的研究と成り得る可能性がある。親系マウスの表現形質として尿中アルブミン値、空腹時体重、HbA1cを測定したところ、いずれの形質に関してもKK-A^yがKK/Ta、BALB/cマウスに比較して有意に高値を示した。KK-A^y、BALB/cマウスのF2 intercrossマウスの作成に関しては、まずKK-A^y/TaとBALB/cマウスを交配し、約20匹のF1マウスを作成した。F1マウスは4種類の遺伝子型を有することになるが、このうち黄色の体毛色をもつマウスのみを選択し、兄妹交配を行うことでF2 intercrossマウス(206匹)を作成した。今年度(平成22年)は、このうち体毛色が黒色(A^y遺伝子なし)、黄色(A^y遺伝子あり)の個体に関してQTL mappingを行い、染色体7番と9番上に各々アルブミン尿とHbA1cに関連する遺伝子座を同定した。今後は、更に個体数を増やしfine mappingを行うことより、より詳細な、これらの遺伝子座を同定していく予定である。(これらの結果の一部は、第12回アジア太平洋腎臓学会議(ソウル・韓国)にて報告した。)
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