研究課題
1.糸球体高血圧、糸球体内皮機能障害、アルブミン尿出現の相互関係の検討Leica社製TCS SP2 2-photonレーザー顕微鏡を用いて生体腎における輸出入細動脈径変化、微小血管血流、濾過、再吸収、病的状態下でのpermeability亢進を可視化検出しうる技術を確立した。各種probeを用いて、ラット及びマウスにおいて糸球体・間質毛細血管血流、糸球体濾過の動態が観察となった。輸出入細動脈径も測定可能で、病態での輸入細動脈自動調節能の異常の検出、生体糸球体の3次元立体構築が観察可能となった。STZ糖尿病モデルでは、4週時には輸入細動脈拡張と一部の肥大糸球体からmaclomoleculの濾過を認めた。尿中アルブミン排泄を認めない早期から、肥大糸球体がhyper-permeable状態にあることが判明した。Rhodamine標識lectinを先行投与し、糸球体Glycocalyxを可視化し、Glycocalyx減少部位からアルブミンが漏出することを確認した。以上により、Glycocalyx破綻によって示される糸球体内皮障害ととアルブミン尿出現との関係が明らかになった。2.糸球体内皮機能障害とsystemic vasculatureの内皮機能障害との関連の検討糖尿病、高血圧モデル等の病態腎糸球体内皮の障害機序と同時にaorta標品を用いて、内皮依存性血管拡張反応を評価した。糸球体内皮細胞とsystemic vasculatureの内皮細胞における障害機序・出現時期が一致することが判明した。レニンーアンジオテンシン系阻害薬(NADPH oxidase抑制作用あり)、Caチャネルブロッカー(一部にGTPCH活性亢進作用あり)、statin(eNOS活性化作用)投与群を投与したところ、アルブミン尿減少と同時にsystemicvasculatureのECD改善効果を認めた。
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