MG濃度によるEPS発症率の評価。以下にEPSラット作成概要を示す。 1.7週齢:左腎の2/3腎摘出2.8週齢(左腎処置後7日):右腎摘出 3.14週齢:頭上から皮下を通して腹膜透析用のrat-o-portを挿入。 翌日から14日間1日2回25ccの腹膜灌流を行う。試技間は腹腔内に液を貯留する。 5.21週齢:頚静脈より採血、D/P-Urea測定の後(EPSの程度による)腹膜を採取し、ネンブタールで屠殺。 腎不全の有無、腹膜透析液により以下のラットのグループを作成した。 Group1:(Sham+3.85%glucose PD+MG7.5mmol/L) Group2:(Sham+3.85%glucose PD+MG15.0mmol/L) Group3:(5/6Nephrectomy+3.85%glucose PD+MG7.5mmol/L) Group4:(5/6Nephrectomy+3.85%glucose PD+MG15mmol/L) EPSの発症はGroup1:0‰ Group2:30%. Group3:50‰ Group4:100%であった。 病理的変化を検討した。 Group A(Sham+3.85%glucose PD+MG5mmol/L) Group B(5/6Nephrectomy+3.85%glucose PD+MG5mmol/L) ともにEPSの発症を認めなかったが臓側腹膜(肝臓)の線維化が明らかに定量的に差を認めた。つまり、EPSの発症には、(1)AGEが腹膜に蓄積することが必要(2)AGE量と関係があること(3)腎不全であることが関わっていることの3点を指し示した。 EPS発症モデルの腹膜透析液中にAGE消去もしくは補足物質であるpyridoxamine、とTM2002を注入することで、EPSの発症を抑制可能かの検討は進行中である。
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