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2011 年度 実績報告書

多系統萎縮症におけるゲノム網羅的コピー数多型(CNV)の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21591067
研究機関北海道大学

研究代表者

佐々木 秀直  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80281806)

キーワード多系統萎縮症 / コピー数多型 / ゲノム構造多型 / 素因遺伝子
研究概要

第一世代のCNV57Kアレイを用いてMSAに特異的なCNV変化を検討した。対照は非血縁のMSA患者33例、非神経疾患成人100例である。うち1組は一卵性双生児で片方のみMSAを発病しているdiscordant twinである。解析の結果複数の領域でMSAに限定してCNV減少領域を認めた。これらの領域は、染色体の末端側に偏在していた。MSA群と対照群の比較で、Odds比>4でMSA群にコピー数減少を示した領域は17領域あった(Odds比範囲 : 4~264)。これらの候補領域について高密度カスタムアレイを作成して、対照25例、患者33例について解析を行った。また、一卵性双生児例について400KG3 arrayを用いてさらに詳細な解析を進めたところ、3箇所に発症者においてコピー数減少領域を認めた。先の候補領域との重複領域は19p13.3であった。高密度のカスタムアレイの解析結果では、MSA33例中11例にコピー数減少を認めたが、対照25例には減少を認めなかった(33%)。減少領域の重複からSHC2がMSA素因遺伝子候補と考えられた。凍結脳組織のウエスタンプロット解析では5例中3例で発現量の低下を認めた。これらの解析の後、片方のみMSAを発病している新たな一卵性双生児例について400KG3 arrayの解析を行ったが、2組目では双方にCNVを検出できなかった。以上の結果を総合すると、MSAの一部に19p13.3領域にコピー数減少領域が共通していること、その領域には複数神経系に発現している遺伝子があり、その一つにSHC2があること、この領域にコピー数減少を認めない例が70%前後あることに要約される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Copy number loss of (src homology 2 domain containing)-transformjng protein 2 (SHC2) gene : discordant loss in monozygotic twins and frequent loss in patients with multiple system atrophy2011

    • 著者名/発表者名
      Sasaki H
    • 雑誌名

      Mol Brain

      巻: 4 ページ: 24(1-10)

    • DOI

      10.1186/1756-6606-4-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 多系統萎縮症の新しい発症メカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      佐々木秀直
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 239 ページ: 1216-1217

  • [学会発表] 多系統萎縮症(MSA)におけるSHC2遺伝子コピー数(CNV)異常2011

    • 著者名/発表者名
      石井美穂,江見充,飯島寛,伊東紀子,佐藤秀則,加藤丈夫,矢部一郎,佐木秀直
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第56回大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
    • 年月日
      2011-11-11
  • [学会発表] 一卵性双生児CNV解析による多系統萎縮症のゲノムコピー数異常の同定2011

    • 著者名/発表者名
      佐木秀直,矢部一郎,加藤丈夫,江見充,飯島寛,伊東紀子,佐藤秀則
    • 学会等名
      第52回日本神経学会学術大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      2011-05-20

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公開日: 2013-06-26  

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