研究課題
免疫グロブリン関連アミロイドニューロパチー患者における血漿中free light chain(FLC)の神経毒性について明らかにすることが本研究の目的である。本年度は培養マウス神経根細胞を用いて神経毒性を検討する前段階として、まず凍結保存してある患者血漿から高純度のFLCを精製する方法を確立した。血漿50μlを20%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動後、FLCのモノマーとダイマーの両者を含む25-50kDaの部分のゲルを切り出し、ミンス後、0.1% sodium dodecyl sulfate(SDS)、0.05mol/l Tris-HCl(pH7.0)、0.1mmol/l EDTA、0.2mol/l NaClから成るelution bufferでFLCを抽出。さらに純度を高める目的で、半精製されたFLCを再度20%ポリアクリルアミドゲルにかけて電気泳動を行ない、分離された蛋白をPVDF膜に転写。ヤギ抗ヒトFLC(κ、λ鎖)抗体を用いて発色させ、その膜部分を切り出し、elution buffer(trifluoroacetic acid/acetonitrile/water=3:4:3)でFLCを抽出した。市販の測定用キット(Binding Site社)を用いて免疫比濁法により高濃度のFLCが得られたことを確認した。続いて、精製したFLCの神経毒性を検討するために、マウス脊髄神経根を分離・培養する手技を確立中である。
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