研究課題
未知の病型の遺伝性脊髄小脳変性症の新規原因遺伝子同定を目指し、当施設で集積した常染色体優性遺伝形式を示す脊髄小脳変性症家系のうち、既知の病型(SCA1・SCA2・MJD/SCA3・SCA6・SCA7・SCA8・DRPLA)を除外した後、神経学的評価および脳画像解析にて均一の臨床表現型を示し、地理的にも隣接した地域出身の10家系を対象として解析した。これらの家系においては小脳失調症と運動ニューロン疾患を合併し、本疾患をAsidanと命名した。サンプルサイズの大きい3家系における連鎖解析の結果、chr.20p13領域に4-60のロッド値を認め、さらにfine mappingと最小候補領域に存在する遺伝子のDNAシークエンシングを行い、nucleolar protein 56 (NOP56)遺伝子イントロン1に存在するGGCCTGの6塩基繰り返し配列の異常延長を原因遺伝子変異として同定した(SCA36)。Asidan/SCA36の臨床像は小脳失調症で発症し、罹病期間が進むと共に舌や四肢の筋萎縮・線維束性収縮などの運動ニューロン障害が明らかとなる点が従来のSCAでは認められない特徴であることを明らかにした。また、患者リンパ芽球におけるRNA-FISH解析では、核内に延長したGGCCUGリピート転写産物からなるRNA-fociを認め、RNAgain-of-functionの分子病態が示唆される結果を得た。
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