研究概要 |
6型コラーゲン(collagenVI)関連疾患の病態解明、治療法開発のためcollagen VI遺伝子異常が確定した典型的なベスレムミオパチーの家系例やウルリッヒ病の長期経過観察を続けている。また、非定型例は見逃されている可能性があるため、関節拘縮や関節過伸展を呈する診断未確定例について原因検索目的で、collagen VIの3遺伝子((COL6A1, COL6A2, COL6A3),およびcollagen XIV α1 (COL14A1), collagen XV α1 (COL15A1), NG2 proteoglycan (CSPG4), HSP47 (SERPINH1), biglycan (BGN), fibromodulin (FMOD)などの各遺伝子について次世代シークエンサーによる遺伝子解析を開始し、現在進行中だが、検出される変異が多く、それぞれについて詳細な解析が必要である。また、DICの治療にも使われているヒト可溶性リコンビナントthrombomodulin (rTM)の治療効果を細胞レベルで検討し、rTMがウルリッヒ病線維芽細胞の接着能を改善し、collagen VIの細胞内発現を増強することを明らかにした。細胞生存を高める可能性もあるが、濃度によっても効果が異なっており、臨床に応用するためには最も有効な濃度設定などを詳細に検討する必要がある。今後ベスレムミオパチー患者線維芽細胞における治療効果の検討も予定している。
|