研究課題
(1)MuSK抗体MG患者の病態に則した動物疾患モデルの開発.(1)補体欠損マウスに、精製したMuSKリコンビナント蛋白を、補体欠損マウス一匹あたり20mgをアジュバントと一緒に2週間おきに免疫して、体重変化を経時的に記録することで発症経過をモニターした.二回目の免疫後に体重が減少して、2週間後に全てのマウスにMGを発症させることに世界で初めて成功した.これまでマウスにMusk MGを発症させるのは困難であった.(2)MuSK抗体価の上昇が筋萎縮にあわせて見られた.3Hzで運動神経を刺激した筋電図変化は患者と同じ漸減反応を示した.(3)シナプス(運動神経終末および筋側)の形態変化を,共焦点顕微鏡で観察することができた.(2)臨床への橋渡し研究のための基盤整備.(1)MuSK MG患者は、抗コリン作動性クリーゼの過敏性を示す症例があり、診断および治療指針の確立が必用である.本課題で作成することに成功した疾患モデル、すなわち100%同調してMuSK MGを発症する補体欠損マウスを使って、neostigmine(AChE抑制剤)投与後に3Hzで運動神経を刺激して筋電図変化を測定すると、Musk MG患者と全く同じ変化を観察することができた,Musk MG患者の過敏性のメカニズムを,疾患モデルを使って機序を明らかにすることが可能となった.次年度は病態を明らかにして診断治療の指針づくりに貢献する.(2)Musk MGを発症したマウスにジアミノピリジンを投与して、筋電図変化を計測すると顕著に改善することが明らかとなった.その機序を明らかにして治療薬の開発を行うことが可能となった.
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J Biol Chem 284
ページ: 3480-3487
日本老年医学会雑誌 46
ページ: 106-113
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