研究課題
(1)MuSK抗体MG患者の病態に則した動物疾患モデルの発症メカニズム(1)補体欠損マウス含む9種類の系統に、精製したMuSK蛋白を免疫して、抗MuSK抗体によって発症する動物モデルを作成することに成功した。(2)補体欠損マウスは、MuSK蛋白の2回目の免疫後に全てのマウスが、筋力低下と筋萎縮を発症し、重篤な症状を示すだけでなくだけでなく、神経筋シナプスの形態異常を示した。発症したマウスは座骨神経を3Hzで刺激して得られた筋電図で、患者と同じ漸減反応を示した。ガラス管微小電極法でシナプス膜電位を測定すると、シナプス小胞からのアセチルコリン放出、およびその分解速度が顕著に減少していた。また、シナプスの神経終末縮小、筋側のシナプス襞の顕著な減少、アセチルコリン受容体の減少が電子顕微鏡、光学顕微鏡で観察された。(3)ひらめ筋、顔筋、足底筋、前頸骨筋、横隔膜の全ての筋で萎縮が観察され、筋の線維タイプ変換を伴うことがわかった(The Am J of Pathol,2012)。(4)筋の組織化学染色からはミトコンドリアの異常は検出されなかった。(5)自己抗体がMusKのシグナル蛋白Dok7の分解を増強し発症原因と関連することを発表した(J Neuroimmunol.2012a)。(2)MuSK抗体MGの病因解明.自己抗体が産生されるメカニズムを解析するために、MuSKノックアウトマウスを作成した。産生メカニズムについて今後も検討が必要である。(3)臨床への橋渡し研究のための基盤整備(1)ジアミノピリジンがシナプスからのアセチルコリン放出を増強して疾患モデルに対して有効であること発表した(J Neuroimmunol.2012b)。
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