マウス骨格筋(足底筋、FDB)にdysferlin-EGFP/pcDNA3.1またはmCherry-MG(ミツグミン)53/pcDNA3.1をエレクトロポレーション法で導入した。7日後にFDBを単離し筋膜を剥離したwhole muscle、あるいはFDBをコラゲナーゼ処理して分離した単一の筋繊維(single myofiber)において導入した蛍光タンパク質が発現していることを蛍光顕微鏡で確認した。whole muscle、あるいはsingle myofiberの細胞膜に2光子レーザーで損傷を与え、膜損傷、修復過程のdysferlin-EGFPまたはmCherry-MG53の分子挙動をリアルタイムで共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。この結果、dysferlinは膜損傷部位に秒オーダーで損傷部位に凝集することを明らかにした。また、dysferlin欠損症の患者型変異を導入したmutant dysferlin-EGFPも野生型と同様の分子挙動を示し、細胞膜損傷部位に凝集することを見出した。さらに、MG53もdysferlin同様に秒オーダーで損傷部位に凝集するが、その速度はdysferlinよりやや遅いことを見出した。現在、dysferlin-EGFPとmCherry-MG(ミツグミン)53をFDBにおいて共発現させ、膜損傷、修復時の両者の分子挙動を同時にリアルタイムで解析することを試みている。
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