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2010 年度 実績報告書

消化管神経変性の病態解明:環境に近接する神経系へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 21591109
研究機関新潟大学

研究代表者

小澤 鉄太郎  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10377153)

研究分担者 高橋 均  新潟大学, 脳研究所, 教授 (90206839)
西澤 正豊  新潟大学, 脳研究所, 教授 (80198457)
キーワードパーキンソン病 / 多系統萎縮症 / アルファシヌクレイン / 消化管機能 / 消化管神経叢 / 神経変性 / 腸音解析 / 便秘
研究概要

要約:多系統萎縮症(MSA)における消化管神経機能の障害を評価するために、消化管のアセチルコリン神経系によって分泌調節される消化管-中枢神経ホルモンである「グレリン」の分泌動態を評価し、MSAでのアクティブグレリン/総グレリン比の明らかな低下を発見した。
方法:MSA13例(probable MSA-C : 10例, probable MSA-P : 3例)、進行性核上性麻痺/大脳皮質基底核変性症(PSP/CBD)6例,筋萎縮性側索硬化症(ALS)5例、コントロール8例(健康人6例、非変性疾患2例)において、早朝空腹時採血にて血漿中のアクティブグレリンとデスアシルグレリンをサンドイッチELISA法にて定量した。アクティブグレリン値(fmol/ml)とデスアシルグレリン値(fmol/ml)の和(総グレリン値)に対するアクティブグレリン値の比率(アクティブグレリン/総グレリン比)を用いて検討した。グレリンの分泌機能に影響を与える因子として血清レプチン値(ng/ml)とbody mass indexの測定を合わせて行った。
結果と考察:MSAにおけるアクティブグレリン/総グレリン比は7.0±1.4%であり、PSP/CBD(15.4±2.3%)、ALS(14.7±1.8%)、コントロール(13.6±1.3%)よりも明らかに低下していた(P<0.05)。血清レプチン値とbody mass indexは全てのグループ間で有意差は無かった.我々の研究で発見されたMSAでのアクティブグレリン/総グレリン比の低下は、MSAにおける消化管アセチルコリン神経系の障害に起因する現象であると考えられた。また、アクティブグレリンは迷走神経求心路を介して自律神経中枢に作用し消化管蠕動を強力に促進するホルモンであり,MSAでのアクティブグレリン/総グレリン比の低下は、MSAの消化管蠕動低下に関与する因子であると考えられた。今後は,MSAにおけるグレリン分泌異常のメカニズムをさらに検討し、消化管一中枢神経クロストークの病的変化を明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The phenotype spectrum of Japanese multiple system atrophy2010

    • 著者名/発表者名
      小澤鉄太郎
    • 雑誌名

      Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry

      巻: 81 ページ: 1253-1255

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tremulous arytenoid movements predict severity of glottic stenosis in multiple system atrophy2010

    • 著者名/発表者名
      小澤鉄太郎
    • 雑誌名

      Movement Disorders

      巻: 30 ページ: 1418-1423

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reduced bowel sounds in Parkinson's disease and multiple system atrop by patients2010

    • 著者名/発表者名
      小澤鉄太郎
    • 雑誌名

      Clinical Autonomic Research

      巻: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] 多系統萎縮症におけるグレリン分泌異常に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      小澤鉄太郎
    • 学会等名
      厚生労働省難治性疾患克服研究事業「運動失調症の病態解明と治療法開発に関する研究班」平成22年度会議
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-01-13

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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