研究課題
目的:運動終板でのアセチルコリンエステラーゼ(AChE)欠損症は、出生時より,著明な脱力,呼吸困難を生じ、運動発達が遅延し,約半数の患者で眼球運動不全麻痺を呈する疾患として知られる。Collagen Qの欠損によりAChEの作用がなくなり、シナプスでアセチルコリンが過剰となり臨床症状を呈する。先天性筋無力症であるAChE欠損症のモデルであるCollagen Q欠損マウス(Colq-/-)の運動終板の変化は、過剰なAChEにより惹起されると推定される。そこで、AChE阻害剤を投与されたマウス運動終板の微細構造を比較し、Colq-/-の運動終板の変化の意義を検討した。方法:Colq(-/-)、Wildタイプのマウスと臭化ピリドスチグミン(70mg/Kg)を投与されたマウスにブビバカインを投与し運動終板の再生時期への過剰のAChEの運動終板への影響を検討した。筋は主に白筋である長指伸筋と赤筋であるひらめ筋の運動終板の微細構造を観察した。結果:Colq(-/-)では、postsynaptic foldの変性と神経終末がシュワン細胞に覆われ、postsynaptic foldの形成がない運動終板が多く見られた。抗AChE阻害剤投与マウスでは、ひらめ筋においてのみ類似の変化が観察された。結論:抗コリンエステラーゼ剤の作用は赤筋と白筋で影響に差がある。抗AChE阻害剤過剰投与とColq欠損マウスの運動終板の変化は類似していて、過剰なアセチルコリンが運動終板の形成に影響を及ぼし、神経終末のシュワン細胞の反応を惹起し、シナプス後部でもシナプス後襞の形成も抑制されてくる。
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