研究概要 |
本研究の目的は各種の視覚刺激(形刺激・色刺激・快/不快刺激・錯視刺激・立体視刺激・報酬課題)を用いて、感覚・認知行動・情動・自律神経反応の各機能を総合的に評価できる「高次脳機能検査システム」を確立することにある.本年は脳卒中患者、Parkinson病、Alzheimer病において、刺激課題を形、色、形と色の2要素とし、その2要素に対して一方に注目させる課題、および両方の要素に注目させる課題をつくり、快、不快、中立感情惹起刺激とに分けて行った。 刺激課題: 形の一要素を含んだ形刺激(oddball課題、S1-S2課題)、色の一要素を含んだ色刺激(赤・緑刺激)、形・色の2要素を含んだ課題(いずれか一方の要素に注目させる選択的視覚注意課題、同時に両方の要素に注目させる分配的視覚注意課題)、快/不快刺激(快感情を起こす視覚刺激、不快感情を起こす視覚刺激、中立的な感情を起こす視覚刺激の三種類を用いる)、錯視刺激、立体視刺激、報酬課題を用いた。 (2)脳活動の記録方法: 多チャンネルのデジタル脳波計で、視覚誘発電位(P1)、視覚性事象関連電位(P3)を計測するほか、反応時間と自律神経反応(交感神経皮膚反応・心拍変動係数)を同時測定する。視覚性事象関連電位の潜時・振幅の測定は、P1、N2、P3、N4について行い、反応時間測定は手指にボタンを持たせて行った.脳波記録電極の部位はCz,Pz,Oz,C3,C4,P3,P4,T5,T6,O1,O2とし,基準電極はA1・A2連結電極またはFzとした.
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