研究課題/領域番号 |
21591118
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
三輪 英人 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50231626)
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研究分担者 |
中西 一郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (40364088)
近藤 智善 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50103891)
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キーワード | ゾニサミド / ドパミン / パーキンソン病 / モノアミン酸化酵素 |
研究概要 |
ゾニサミドの薬理作用、特に抗パーキンソン病作用に関しては十分に解明されていない。われわれは、パーキンソン病に対する多様な作用メカニズムの中で、今年度はゾニサミドの神経保護作用に注目して基礎的検討を行った。予備実験において、ゾニサミドの投与によってマウスにおける神経毒MPTPによるドパミン神経細胞阻止効果があることが示唆された。ドパミン神経細胞に選択的毒性MPTPは、脳内においてモノアミン酸化酵素Bの作用によりMPP+に変換されて毒性を生じる事が知られている。ゾニザミドにはモノアミン酸化酵素Bの阻害作用があると報告されている。したがって、ゾニサミドのMPTPに対する神経保護作用が、モノアミン酸化酵素Bの阻害作用により毒性物質MPP+の産生がそもそも低下している可能性がある。したがって、第一段階としてゾニサミドにモノアミン酸化酵素Bの阻害作用があるかどうか、またその強さの程度を知る事は重要である。われわれはヒトモノアミン酸化酵素を用いて、ゾニサミドのモノアミン酸化酵素阻害作用の検討をルシフェラーゼの変化を利用して生化学的に行った。いわゆるモノアミン酸化酵素B阻害薬として知られているセレギリンと比較すると、ゾニサミドにはモノアミン酸化酵素Bの阻害作用は非常に弱いことが明らかにされた。したがってゾニサミドのMPTPに対する保護作用は、モノアミン酸化酵素阻害作用以外の作用であることが明らかにされた。来年度は、ゾニサミドには神経炎症阻止作用がある可能性に関する実験を行う予定である。
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