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2010 年度 実績報告書

動脈硬化における小胞体ストレス応答・酸化ストレス応答の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21591122
研究機関東北大学

研究代表者

石垣 泰  東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50375002)

キーワード動脈硬化 / 小胞体ストレス / 炎症
研究概要

我々は、CHOP欠損マウスを中心とした解析から、動脈硬化の発症・進展における小胞体ストレスと酸化ストレスの役割や相互作用を明らかにし、生体内のストレス応答を調節することによる動脈硬化に対する新規予防・治療法の可能性を探ることを目的に研究を進めてきた。
CHOP(C/EBP homologous protein)はERストレスによって誘導され、細胞をアポトーシスへと導く。我々はMφのアポトーシスに関わっているCHOPに着目し、ERストレスが動脈硬化の発症・進展にいかなる役割を果たしているのかを検討するために、CHOP欠損マウス(KO)を用いていくつかの解析を行った。
8週齢のC57BL/6JマウスとCHOP KOの後下肢動脈にカフ傷害を施した後、1週間後に動脈壁の遺伝子発現を検討したところ、CHOP KOにおいて炎症反応や平滑筋増殖因子の抑制を認めた。
CHOP KOとapoE KOを掛け合わせたダブルKOを作成し、高コレステロール食を負荷した後、粥状動脈硬化が形成された24週齢の大動脈では、CHOP KOにおいて炎症反応の強い抑制を認めた。一方でまだ動脈硬化の形成されていない14週齢においてもすでに、CHOP KOにおいて炎症反応や内皮接着因子の発現が抑制されていることを見出した。
CHOP KOにみられた反応性内膜肥厚や粥状動脈硬化の抑制は、内皮機能障害や炎症反応の抑制がその機序をなしていると考えられた。これらのことから、CHOPは内皮機能障害や炎症反応を調節することで動脈硬化促進的に働くことが示唆された。
これらの知見をもとに、血管壁構成細胞と血球細胞の小胞体ストレスがいかに動脈硬化に関わっているか、骨髄移植の手技を用いて詳細な解析をおこなっていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 動脈硬化発症・進展における血中酸化LDLの重要性2010

    • 著者名/発表者名
      石垣泰
    • 雑誌名

      糖尿病

      巻: 53(4) ページ: 231-233

    • 査読あり
  • [学会発表] ER stress responses, both in macrophages and vascular cells, play important roles in the development of arteriosclerosis.2010

    • 著者名/発表者名
      Yasushi Ishigaki
    • 学会等名
      第42回日本動脈硬化学会総会
    • 発表場所
      岐阜
    • 年月日
      2010-07-14

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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