研究課題
メタボリックシンドロームの病態の根幹をなす、肥満に伴うインスリン抵抗性の本質は、肥満に対するネガティブフィードバック機構であると考えられる。肥満時の肥大化した脂肪細胞にはインスリン抵抗性のひとつの表れとして、脂肪酸合成酵素(FAS)を始めとするlipogenic genesの発現の低下があることを我々は以前、マイクロアレイ解析等により見出し、報告した。このlipogenic genesの発現低下は脂肪細胞のインスリン抵抗性の結果であるとともに糖取り込み低下の原因にもなっているものと考えられ、肥大脂肪細胞の重要な特徴のひとつと言える。この現象の発生機序を解明することが、本研究のテーマである。本年度の研究成果として、脂肪組織にアデノウイルスによるFASプロモータールシフェラーゼレポーター遺伝子の導入を行い、in vivo imaging system (IVIS)によってFAS遺伝子のin vivoプロモーター解析を行ったところ、肥満動物の脂肪組織ではFAS遺伝子のプロモーター活性が低下しており、FAS遺伝子の発現が転写レベルで抑制されていることを明らかにすることができた。さらに、FAS遺伝子のプロモーター領域の各部位を詳細にin vivoプロモーター解析ならびにelectromobihty shift assayにより調べることで、EAS遺伝子のインスリン作用による活性化メカニズム、および肥満・インスリン抵抗性下における抑制のメカニズムを解明することを目指して解析中である。
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Am J Physiol Endocrinol Metab
巻: (in press)
Arterioscler Thromb Vasc Biol
巻: 31 ページ: 1973-9
DOI:10.1161/ATVBAHA.110.221663
J Biol Chem
巻: 286
巻: 31
http://metab.umin.ne.jp/