研究課題/領域番号 |
21591127
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
遠藤 登代志 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (00152017)
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研究分担者 |
小林 哲郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30113442)
金重 勝博 山梨大学, 医学部・付属病院, 助教 (20377518)
滝沢 壮一 山梨大学, 医学部・付属病院, 医員 (80456467)
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キーワード | 劇症1型糖尿 / 自己免疫性膵炎 / 自己抗体 / アミラーゼ / ELISA / IgG4 |
研究概要 |
申請者らは膵アミラーゼ抗体は劇症1型糖尿病と自己免疫性膵炎に共通した膵特異的自己抗体であることをみいだし、本自己抗体測定のための高感度測定系を樹立すべく、以前開発したELISA測定系の改良を試みてきたが、ELISA readerの更新により、低力価抗体の測定も可能になった。 劇症1型糖尿病と自己免疫性膵炎は共に膵外分泌・内分泌の障害を来す共通性を有するが、後者は高IgG4血症を示すことが特徴である。そこで、高感度アミラーゼ抗体検出用ELISAにて膵アミラーゼIgG4抗体の検出を試み、劇症1型糖尿病と自己免疫性膵炎の鑑別が可能か否かを検討した。 膵アミラーゼリコンビナント抗原をプレートにcoatingし、患者血清を一次抗体、peroxidase-conjugated anti-humam IgG4を二次抗体として自己抗体の検出を行った。その結果、自己免疫性膵炎患者12例中10例にてIgG4型アミラーゼ抗体が検出されたが、劇症1型糖尿病10例では一例も検出されなかった。一方、自己免疫性膵炎を治療後には、8例中6例にてIgG4型アミラーゼ抗体が陰性化していた。 これらの結果は、自己免疫性膵炎ではIgG4型アミラーゼ抗体が産生されるが、劇症1型糖尿病では非IgG4型であること、さらに、これらの相違に基づき両者の鑑別が可能であることを示す。また、劇症1型糖尿病と自己免疫性膵炎における膵アミラーゼ抗体産生機序には相違があり、両疾患の成因の解明に重要であると考えられた。
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