研究課題/領域番号 |
21591141
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大澤 春彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90294800)
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研究分担者 |
大沼 裕 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00294794)
西田 亙 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80271089)
高田 康徳 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20432792)
田原 康玄 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00268749)
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キーワード | レジスチン / インスリン抵抗性 / SNP / 2型糖尿病 / エピジェネティクス / 遺伝子発現 |
研究概要 |
レジスチンは、マウスではインスリン抵抗性を惹起するアディポカインである。ヒトでは主として単球に発現し、炎症、インスリン抵抗性、動脈硬化をリンクする鍵分子である。我々は、レジスチン遺伝子の転写調節領域に存在する一塩基多型(SNP)-420がG/G型の場合に、2型糖尿病リスクが高まることを見出した。さらに、血中レジスチンは、SNP-420がC/C<C/G<G/G型の順に高くなることを明らかにした。 本研究では、レジスチン遺伝子発現とDNA修飾を制御する遺伝子・環境因子を体系的に同定する。第一に、ヒトの単球培養細胞を用いて、in vitroにおいてレジスチンのプロモーター活性、mRNA、DNA修飾に影響する因子を同定する。第二に、ヒトのin vivoにおいて、SNP-420と単離単球におけるレジスチンのDNA修飾、mRNAと血中濃度の関係を解析する。第三に、一般住民多数例の遺伝疫学的解析により、血中レジスチン濃度に影響する遺伝子・環境因子相互作用を解明する。 本年度は、遺伝疫学的解析とin vitro解析をさらに進めた。一般住民2000名において、SNP-420、SNP-358、SNP-638の3つが最も強く血中レジスチンと関連した。このうち、SNP-420のGが血中レジスチンを高めるためには、SNP-358のAが必要であった。さらに、SNP-420とSNP-358の組み合わせによるレジスチンプロモーター活性の違いをin vitroで解析した。その結果、SNP-420のGとSNP-358のAの組み合わせで最もプロモーター活性が高く、遺伝疫学のデータと一致した。さらに、環境因子の影響により変化する可能性のあるDNAメチル化をパイロシーケンス法により解析した。レジスチン遺伝子転写調節領域の複数のCpG配列のシトシンメチル化率は、部位間、個人間でその程度に差が存在した。
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