研究課題/領域番号 |
21591143
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
阿比留 教生 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00380981)
|
研究分担者 |
古林 正和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 客員研究員 (00380874)
佐藤 剛 長崎大学, 大学病院, 医員 (70437896)
厨 源平 長崎大学, 大学病院, 医員 (50457579)
中村 寛 長崎大学, 大学病院, 医員 (70530426)
|
キーワード | 1型糖尿病 / インスリンペプチド / NODマウス / 経鼻免疫 / 膵島自己抗原 / poly I:C / 発症予防 |
研究概要 |
poly I:Cを粘膜アジュバントに用いた、膵島自己抗原ペプチドの経鼻投与による1型糖尿病発症抑制効果の検討 1. 若年(4週齢)と糖尿病発症前(12週齢)の雌性NODマウスに、インスリンB鎖ペプチドとpoly I:Cの混合液を経鼻投与し、抗ペプチド抗体の誘導を確認した。しかし、経鼻投与単独では、十分な糖尿病発症進展抑制効果は得られなかった。 2. 12週齢の雌性NODマウスに、Alumをアジュバントに用いたインスリンB鎖ペプチド(Ins-Alum)の皮下注を行い、インスリンB鎖ペプチドとpoly I:C混合液を12週齢から48週齢まで経鼻投与した結果、無治療マウス群および、Ins-Alumの皮下注単独群に比較して、有意に糖尿病発症を抑制していた。 3. インスリンB鎖以外で、治療に応用可能な膵島自己抗原ペプチドをスクリーニングするために、4週齢の雌性NODマウスに、候補となる膵島抗原ペプチドとpoly I:Cの混合液を経鼻投与した結果、GAD524-543/poly I:C、プロインスリンペプチド(B24-C36)/poly I:C経鼻投与は、他の抗原ペプチドより、強い発症遅延傾向を認めた。 poly I:Cを用いた膵島抗原ペプチドの経鼻投与は、Alumアジュバントによる皮下投与との併用により、ヒト1型糖尿病発症阻止治療に応用可能な、安全で生理的な治療法につながる可能性が示唆された。今後、他のアジュバントの検討、複数の膵島抗原ペプチドの混合投与など、より強力な治療法開発を進めていく予定である。
|