モデルマウスを用いた劇症1型糖尿病治療法の開発

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21591149
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 代謝学
• 研究機関: 大阪医科大学
• 研究代表者: 花房 俊昭 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60164886)
• 研究分担者: 佐野 寛行 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20556435)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 劇症1型糖尿病 / encephalomyocarditis virus / GLP-1 / マクロファージ

研究概要

本研究は、GLP-1受容体作動薬であるexendin-4が劇症1型糖尿病モデルである脳心筋炎ウイルス感染マウスの糖尿病発症を抑制することを明らかにした。そのメカニズムとして、exendin-4がマクロファージの膵島浸潤を抑制し、さらに脳心筋炎ウイルス感染マクロファージのTNF-α、IL-1β、iNOS発現を抑制したことが、膵β細胞の破壊を著明に軽減させたと考えられた。本研究によって、劇症1型糖尿病の治療において、マクロファージ由来のTNF-α、IL-1β、iNOS発現抑制が重要な治療の標的となりうることが示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Low CTLA-4 expression in CD4+helper T-cells in patients with fulminant type 1 diabetes (2011)
  • 著者名/発表者名: Haseda F, Imagawa A, Murase-Mishiba Y, Sano H, Hirano-Kuwata S, Ueda H, Terasaki J, Hanafusa T.
  • 雑誌名: Immunol Lett 巻: 30 ページ: 139(1-2): 80-6
  • 査読あり
• [雑誌論文] Exendin-4, a glucagon-like peptide-1 receptor agonist, suppresses pancreaticβ-cell destruction induced by encephalomyocarditis virus. (2010)
  • 著者名/発表者名: Sano H, Terasaki J, Mishiba Y, Imagawa A, Hanafusa T.
  • 雑誌名: Biochem Biophys Res Commun 巻: 21 ページ: 404(3): 756-61
  • 査読あり
• [雑誌論文] 特集:インクレチン製剤-基礎と臨床「膵島移植の際にインクレチン製剤は?」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 佐野寛行・花房俊昭
  • 雑誌名: 肥満と糖尿病 巻: Vol09-No.4 ページ: 575-579
• [雑誌論文] 1型糖尿病になるのはなぜか(原因・機序) (2009)
  • 著者名/発表者名: 佐野寛行花房俊昭
  • 雑誌名: 糖尿病のすべて ページ: 24-28
• [学会発表] Exendin-4はEMCウイルスによる膵β細胞破壊を抑制する (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐野寛行、寺前純吾、長谷田文孝、堤千春、大西峰樹、三柴裕子、今川彰久、花房俊昭
  • 学会等名: 第54回日本糖尿病学会年次学術集会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20110519-21
• [学会発表] 脳心筋炎(EMC)ウイルスによって誘導される膵β細胞破壊に対するexendin-4の効果 (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐野寛行
  • 学会等名: 糖尿病治療UP TO DATE
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2011-11-25
• [学会発表] 新時代の糖尿病治療 (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐野寛行
  • 学会等名: 第268回臨床心臓病研修会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2011-11-19
• [図書] 1型糖尿病における膵β細胞障害の分子機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 長谷田文孝, 佐野寛行, 寺前純吾, 花房俊昭
  • 総ページ数: 52-62
  • 出版者: 羊土社