研究課題/領域番号 |
21591164
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
堂前 純子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (70227700)
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研究分担者 |
横山 信治 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142192)
黒野 智恵子 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (50080049)
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キーワード | ABCA1 / ABCA7 / コレステロール / HDL / ファゴサイトーシス |
研究概要 |
ポリスチレンビーズを用いた定量的ファゴサイトーシス評価システムを作成し、マクロファージへのアポリポタンパク質投与でファゴサイトーシスが増強されることを発見した。ノックアウトマウスならびにsiRNAを用いた解析により、このアポリポタンパク質依存性ファゴサイトーシス増強効果は、ABCA1ではなくABCA7の発現に依存すること、その機序はアポリポタンパク質によるABCA7タンパク質の分解抑制であることも明らかにした。さらに、スタチンやシクロデキストリンの投与による細胞コレステロールの減少が、SREBP2を介したABCA7発現増加とファゴサイトーシス増強をもたらすことも確認した。HepG2およびABCA1発現HEK293細胞を用い、インスリンが2つのメカニズムによりapoA-I依存性HDL新生を抑制することを明らかにした。メカニズムの1つはPI3キナーゼ活性化がABCA1タンパク質の分解を促進するため、もう1つはABCA1がインスリンレセプターによるリン酸化を受け、タンパク質量の変化なしにHDL放出速度低下の生じるためであった。さらに、ABCA1上のY1206を後者の機序に関与する特異的なリン酸化部位と同定し、これの変異によるインスリンの効果消失を証明した。 ABCA1タンパク質にはCaMが結合すること、これによってABCA1の分解が抑制されてHDL新生が増加することを明らかにした。さらに、以前の研究で明らかにされていたCaM inhibitor W7によるHDL新生増強作用が、この経路に由来していたことも示した。
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