研究課題/領域番号 |
21591168
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
竹越 一博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40261804)
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研究分担者 |
島野 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20251241)
石井 清朗 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (80419150)
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キーワード | 褐色細胞腫 / 遺伝子診断 / SDHB / SDHD / 大欠失 / MLPA / 悪性褐色細胞腫 / PC12 |
研究概要 |
今世紀に入り、以下の3点が見出され、遺伝性褐色細胞腫という概念が確立した。(1)近年のSDHBおよびSDHDの発見、(2)臨床的に散発性でも潜在的な遺伝性である可能性があること、(3)悪性化と関係する遺伝子(SDHB)が判明した事。本研究事業の大きな柱として「診療指針作成」が挙げられる。今回、その中の重要な分野である遺伝子解析の研究基盤構築の一環として、SDHB/SDHDを主とする褐色細胞腫の遺伝子解析を行った。特に日本では現在まで全く行われていないSDHB/SDHDの大欠失の検索を、multiplex ligation dependent probe amplification(MLPA)法を用いて初めて施行した。その結果、以前直接シークエンス法でSDHB遺伝子点変異陰性であった悪性例5例中1例にSDHB遺伝子の大欠失を同定し得た。本例が日本で初めてのSDHB遺伝子の大欠失同定である。以上より、今後、直接シーケンスで遺伝子変異を認めない場合でも、時に悪性例では、MLPA法による大欠失の検索を更に行う必要がある。 SDHB変異による悪性化機序の解明として、ラット褐色細胞腫cell line PC12を用いてsiRNAによるSDHBのノックダウンを施行し、同細胞に発現する遺伝子をマイクロアレイで検討した。その結果カットオフ値2倍以上もしくは2分の1以下で約2800の遺伝子が変動を示し、これらは悪性化に密接に関係している可能性があり、現在検討をしている。
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