1)初代培養軟骨細胞におけるCNPの作用の検討:野生型マウス由来初代培養軟骨細胞を用いて、CNPの添加による分化の指標をalcian blue染色により評価した。CNPの添加により、alcian blueによる染色性は増強し、分化が促進される可能性が示された。また、CNP添加により定量PCRにより測定されたII型コラーゲン、X型コラーゲンなど軟骨分化マーカーの遺伝子発現量は増加傾向にあることが認められた。2) CNP/GC-B系と他の内軟骨生骨化調節因子との相互作用の検討-BMP2との相互作用の検討-:マウス新生仔脛骨器官培養および軟骨細胞様ATDC5にCNP(10^-7M)およびBMP2(100ng/ml)を共添加して、培養脛骨の長さ、BMP2のTarget geneであるIdファミリーやRunx2のmRNA発現、ウエスタンブロット法によるSmadlのリン酸化をBMP2単独添加群と比較した。4日間の器官培養において、培養脛骨長はBMP2単独添加群と比較してCNPおよびBMP2共添加群では短縮する傾向が認められた。ATDC5において添加後24時間後に測定したmRNA定量ではId2、 Id3やRunx2の発現量はBMP2単独添加群と比較して共添加群において減少した。また、ウエスタンブロット法により検出されたBMP2添加によるSmadlのリン酸化はCNPとの共添加により減弱した。以上より、CNP/GC-B系はBMPシグナルを抑制的に調節している可能性が示唆された。
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