研究課題
計画(1)睡眠時無呼吸症候群(SAS)・心血管病(CVD)におけるアディポネクチン(APN)・内臓脂肪の関連性についての臨床研究(研究代表者:岸田堅、研究分担者:船橋徹、連携研究者:市立吹田市民病院内科医長中川靖彦、研究生;樫根晋、南朋子)a)SAS疾患保有者におけるCVD(中川靖彦、南朋子)目標症例数である50例のデータを集積し、SASを有する39名を対象に検討を行った。SAS疾患保有者においてCTによる冠動脈狭窄(50%以上狭窄)の頻度は15%であった。ロジスティック解析において、冠動脈狭窄はメタボリックシンドロームと有意に関連することが明らかとなった。メタボリックシンドローム保有群は、非保有群に比して、血中アディポネクチン濃度が低値を示した。SAS疾患保有者の臨床帰結の一つである冠動脈疾患を予防するには、メタボリックシンドロームを管理する必要があることが示唆される結果であった(Diabetol Metab Syndr. 2012)。b)CVDハイリスク者におけるSAS(連携研究者:小倉記念病院循環器科部長横井宏佳、中川靖彦、樫根晋)急性冠症候群患者のうち夜間睡眠中に急性冠症候群イベントを発症する患者は、内臓脂肪蓄積およびSASを合併している者が多く、またその分子基盤の一つに夜間APN濃度の低下が関与することが明らかとなった(Am J Cardiol. 2011)。本研究は、夜間睡眠中発症する急性冠症候群の病態解明にSASが関与する可能性を示した。安定型狭心症は、メタボリックシンドロームと内臓脂肪蓄積をともに有することが関連することが明らかとなった(JAT.2012 in press)。糖尿病入院患者はSASを90%と高頻度に合併しており、ウエスト周囲長を減らすことが、SASの改善に繋がることを明らかとした(Int Med.2011)。先端巨大症の入院患者は、SASを87.5%に合併しており、その重症度は肥満度ではなく軟口蓋長が関与することが明らかとなった(Endo J.2011)。以上当初計画した研究はすべて完了し、それら得られた結果より、SASおよびその関連疾患における内臓脂肪・アディポネクチンの病態意義が明らかとなり、新たなSAS治療戦略を考える上で重要な知見となった。
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JAT
巻: (印刷中)
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