先天性中枢性性腺機能異常症は、不妊の代表疾患であるが、ゴナドトロピン療法による原因治療法が可能な疾患である。しかしながら、遺伝的異質性の高く、診断に標準的な遺伝子診断法の開発が必須である。本研究では、WAVE法を用いた標準的遺伝子診断法を確立し、継続可能なシステムを作り、診断効率を高めた。また、新たに同定された変異において機能解析を行い、先天性中枢性性腺機能異常症において、様々なリガンド-受容体が発症に関与することを明らかにし、疾患成立機序を解明する一助とした。 今後、変異および臨床解析結果のデータベース化を計り、臨床に直結するデータを患者へ還元していく。また、近年、先天性中枢性性腺機能異常症の病因・病態にoligogenicityの関与が推測されており、次世代シーケンサーとの併用を検討する予定である。
|