研究課題/領域番号 |
21591201
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
木村 晋也 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359794)
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研究分担者 |
福島 伯泰 佐賀大学, 医学部, 講師 (20346894)
久富 崇 佐賀大学, 医学部, 助教 (10398125)
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キーワード | 白血病 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 慢性骨髄性白血病 / ナノチャンバー / ニッチ / ABLチロシンキナーゼ |
研究概要 |
慢性骨髄性白血病(CML)の完治には、CML幹細胞の根絶が必要と考えられる。しかしABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKIs)はCML幹細胞に効果がないことが明らかにされ、ABLTKI単剤ではCMの完治が困難と予測される。CML幹細胞は、ニッチと呼ばれる部位に存在し休止期を保ち、各種抗がん剤の攻撃から自身を守っていると考えられている。正常造血幹細胞のニッチは、主に骨芽細胞(OB)が形成することが報告されている。しかし、CML幹細胞のニッチに関しては、未だほとんど不明である。CML幹細胞のニッチに対するOB、破骨細胞(OC)、骨組織などの骨関連細胞の関与を明らかにするため、実験を行った。TypeIコラーゲンゲル500μLを12穴トランスウェルの底面にコーティングし、マウス大腿骨を設置、OB、マウス骨髄細胞を添加し、ビタミンD_3およびプロスタグランディンE_2存在下でOCを分化誘導する。CML細胞(Ba/F3/wt bcr-abl)を1×10^4個/wellを加え、経時的に生細胞数と細胞周期を計測した。本実験によって、OBはCML細胞の増殖を促進し、骨組織からOCによって汲み出されるTGF-βがCML細胞を休止期に誘導することで、増殖が抑制されることが明らかとなった。また、CML細胞、OB、OC、骨組織の共培養系を容量240nLのナノチャンバー内での再構築に成功した。さらにin vivoの実験を行い、ヌードマウスに皮下チャンバー(ゲルのみ)を留置し、尾静脈よりBa/F3/wt bcr-abl^<GFP>を移植すると、誘導された血管とGFP陽性細胞の生着が認め、ゲル内にOBを加えることで皮下チャンバー内のCML細胞の生着が増加することが明らかとなった。
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