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2009 年度 実績報告書

造血幹細胞の増殖・分化におけるエネルギー代謝制御

研究課題

研究課題/領域番号 21591202
研究機関大阪大学

研究代表者

江副 幸子  大阪大学, 医学部附属病院, 特任講師(常勤) (90379173)

研究分担者 金倉 譲  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
松村 到  大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00294083)
織谷 健司  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70324762)
水木 満佐央  大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
柴山 浩彦  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60346202)
キーワード造血幹細胞 / エネルギー代謝 / 未分化性
研究概要

我々は、造血幹細胞が骨髄微小環境の中で殆どが細胞周期の静止期と未分化性を維持しているそのメカニズムを明らかにするために、造血幹細胞の増殖、分化と環境の栄養状態との関係を明らかにする研究を行っている。平成21年度において正常マウス骨髄よりc-Kit^+Scal^+Lin^-CD34^-の造血幹細胞・前駆細胞分画を単離し、培地のグルコース濃度を0mg/dlから100mg/dlに変化させ、それぞれの条件における細胞の増殖率を計測したところ、グルコース濃度0mg/dlの条件では生存を維持できなかったが、20mg/dl以上で5日以上生存を維持し、60mg/dl以上では増殖率に差がなかった。また、増殖後3日でのKSL分画の比率を調べたところ、40mg/dlで最も多くの細胞がKSL分画にとどまっていることが示された。さらに、daughter cell colony assayを行い、それぞれの条件下における分裂の周期と、対称分裂の比率を計測した。その結果、40mg/dlの条件で最も細胞分裂の周期が長く、また、対称分裂の比率も高かった。また、それぞれの条件下での細胞一個あたりの細胞内ATP濃度を測定したところ、環境のグルコース濃度に比例して細胞内のATP濃度が上昇していた。以上のことからエネルギー代謝の状態は、環境の栄養状態の影響を受け、細胞周期の調節と対称/非対称分裂の確率の調製の両面で造血幹細胞の未分化性の維持に関わっていると考えられる。造血幹細胞を維持するニッチにおいては酸素濃度が低いとされているが、環境のグルコース濃度の影響をも受けている可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Lymphoproliferative disorder : a clinicopathological analysis2009

    • 著者名/発表者名
      Nakamichi N, et al.
    • 雑誌名

      Virchows Archiv 496

      ページ: 269-276

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diffuse Large B-cell Lymphoma with a High Number of Epithelioid Histiocytes (Lymphoepithelioid B-cell Lymphoma) : A Study of Osaka Lymphoma Study Group2009

    • 著者名/発表者名
      Wada N, et al
    • 雑誌名

      Virchows Archiv 455

      ページ: 285-293

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antifungal Activity of Micafungin in Serum2009

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa J, et al
    • 雑誌名

      Antimicrobial Agents and Chemotherapy 53

      ページ: 4559-4562

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Presence of Platelet-associated Anti-glycoprotein (GP) VI Autoantibodies and Restoration of GPVI Expression in Patients with GPVI Deficiency2009

    • 著者名/発表者名
      Akiyama Masao, et al
    • 雑誌名

      Journal of Thrombosis and Haemostasis 7

      ページ: 1373-1383

    • 査読あり
  • [学会発表] 再生医療における品質管理の現状と問題点2010

    • 著者名/発表者名
      江副幸子
    • 学会等名
      第9回日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2010-03-19
  • [学会発表] SIRT1 Deficiency Suppressed the Maintenance of Hematopoietic Stem Cell Pool2009

    • 著者名/発表者名
      江副幸子
    • 学会等名
      The 7th Stem Cell Research Symposium
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-05-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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