研究課題
転写因子の変異に基づいた新しい骨髄球系造血器腫瘍の遺伝子分類を提唱し、的確なオーダーメイド治療を開発することが本研究計画の目的である。本年度は、引き続き変異の検出と病態との関連の解析を行って新たな遺伝子変異を同定した。一方、これまでに同定した遺伝子変異の解析の取りまとめを行った。骨髄球系造血器腫瘍患者における遺伝子異常の検出と病態との関連の解析により、新たに同定した遺伝子異常はGATA2変異である。先天性あるいは家族性GATA2変異は、本年度新たに発見されたばかりで、2011年10月にNature Genetics誌に報告された。自験例は若年性の骨髄異形成症候群(MDS)症例で、先天的にGATA2変異を有しており、特徴的な臨床病態を呈している。現在、症例報告の準備を進めており、GATA2変異体のin vitro機能解析およびヒト造血幹細胞への導入解析に着手した。同時に、マウスBMTモデルを用いたin vivoでの解析を開始している。RUNX1遺伝子変異については、研究結果の取りまとめが完了し、学会報告を行った。ヒト造血幹細胞を用いた解析により、RUNX1変異の約半数を占めるラントドメイン内インフレーム変異では、単独では増殖能を持たないことが明らかになった。MDS発症のためには協調因子による増殖能の付加が不可欠であり、すでに同定されているEVI1の他、がポリコーム複合体に属するBMI1を同定した。RUNX1変異体とBMI1の協調作用をヒト造血幹細胞およびマウスBMTモデルで証明した。現在、論文投稿中である。
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