研究課題/領域番号 |
21591213
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小船 雅義 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (90336389)
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研究分担者 |
井山 諭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50398319)
瀧本 理修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10336399)
菊地 尚平 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80515792)
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キーワード | 癌 / 内科 / シグナル伝達 / 臨床 / 発現制御 |
研究概要 |
難治性白血病では、化学療法後に骨髄微小環境とくにストローマ細胞(ニッチ)に接着・残存した腫瘍幹細胞(Leukemia-initiating cell)が再増殖することが問題となっている。本研究は、白血病および間質細胞に共通して作用するヘッジホッグ(Hh)シグナルを阻害することで、血液腫瘍幹細胞の根絶を目論む新規分子標的治療法の開発を目指すものである。平成22年度までに、CD34陽性白血病細胞および赤白血病細胞に対して、Hhシグナル阻害剤GDC-0449および内因性抑性蛋白hedgehog-interacting protein (HIP)が、腫瘍細胞にアポトーシスを誘導することを見出した。そこで平成23年度は、正常間質細胞、腫瘍間質細胞およびCD34陽性細胞におけるhuman HIP (HHIP)の発現強度をreal time PCR法を用いて検討したところ、正常間質細胞におけるHHIPの発現は、腫瘍間質およびCD34陽性腫瘍細胞の数100倍の高発現を認めた。無血清培地でCD34陽性腫瘍細胞と腫瘍間質細胞をサイトカイン存在下で共培養したところ、HHIP高発現・正常間質細胞では腫瘍細胞の増殖が遅く、HHIP低発現・腫瘍間質細胞では、腫瘍細胞の増殖が速いことが確認された。また、HHIP高発現・正常間質細胞のHHIP発現をshRNAでknockdownした後に、CD34陽性腫瘍細胞と共培養すると腫瘍細胞の増殖が促進されることが示され、逆にHHIP低発現・間質細胞にHHIPを高発現させると、共培養による腫瘍支持能が低下することが示された。このことは、骨髄間質細胞におけるHHIP発現がCD34陽性腫瘍細胞に対して抑制的に働く可能性を示唆している。現在、腫瘍間質細胞においてHHIP発現が低下する分子機構を解明し、新たな腫瘍ニッチに対する分子標的療法に発展させる方策を検討中である。
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